本願寺・御影堂前のイチョウ

イチョウの木(公孫樹)というと、神宮外苑のイチョウ並木や鎌倉鶴岡八幡宮の大イチョウのように、真っすぐ上に伸びたものが多い中、 本願寺・御影堂の前のイチョウは横に枝が張り出した独特な姿をしています。 立て札には次のように書かれています。

『このイチョウは、低い位置から各方向に水平枝や斜上枝をだすという特異な形状を持つが、 これは植栽時から剪定等の行き届いた管理がなされていたためと考えられる。 樹齢は明らかでないが、御影堂が寛永十三年(1636)の建立であるところから、その頃のものであろう。
一般に、イチョウは耐火力の強い樹種であるが、このイチョウも天明八年(1788)や天治元年(1864)の大火の際に、 火の粉を浴びながら生き抜いてきた木である。昭和六十年六月一日、京都市指定天然記念物に指定された。』

イチョウの木はすっかり葉を落とし、春に芽を吹く準備をしています。 本願寺では、12月20日にすす払いを済ませ、新年を迎える準備が進んでいます。

本願寺の一年は元旦会(修正会)で始まります。お供えするお鏡餅は一斗、三升、一升、五合取りの4種類の大きさで、 合計80枚以上となります。1月4日にはお鏡開きが行われ、お餅は門徒さんに配られます。 そして1月9日〜16日には本願寺最大の年中行事、親鸞聖人御正忌報恩講が営まれます。 報恩講のお供物は26具(対)に及びます。
亀屋陸奥では、これらのお鏡餅とお供物の準備や盛付けで年末年始は大変忙しく、報恩講が済むまでは正月気分を味わえません。