司馬遼太郎氏の小説に「松風」が登場します。
土方歳三を主人公とした「燃えよ剣」(文芸春秋「司馬遼太郎全集」6巻)である。
鳥羽伏見の戦いに敗れ、江戸へ戻る途中、大坂の料亭「西昭庵」に滞在した折、連れのお雪さんが
お茶とお菓子をすすめた。このお菓子が「松風」である。(江戸への章)
もうひとつは「関ヶ原」(新潮文庫「関ヶ原」上中下巻)である。
徳川家康の問罪使との会見後、上杉景勝と直江兼続が
主従水入らずで茶を楽しみながら「松風」の話をしている。
やがて兼続は上屋敷に戻り、家康への挑戦状、所謂「直江状」をしたためるのである。(挑戦の章)
また、司馬遼太郎氏と亀屋陸奥、「松風」との出会いのきっかけについては、
エッセイ「司馬遼太郎が考えたこと」(新潮文庫1、2巻)に書いています。
|